| 第131号 2006年01月17日 「2005年株式市場から考える」
|
|
――TontonSystemのメールマガジン 第131号――――――――――――――――
★ 民主主義と資本主義の折り合いを目指す理念と方策
日本発のグローバルスタンダードへ!
2006年01月17日号(不定期発行)
---------------------第131号の目次---------------------------------------
1 今回のコラム
■「2005年株式市場から考える」
2 次号(第132号)の予告
3 TontonSystemとは
4 TontonSystemのホームページ
5 利用配信システム
6 登録・解除・アドレス変更
7 バックナンバー
8 注意事項
-------------------------------------------------------------------------
1 今回のコラム
■「2005年株式市場から考える」
このコラムを配信する前に「ライブドア・ショック」が発生した。株式市場の大きな問題が改め
て明らかになったが、「民主主義と資本主義の折り合い」からこれを見直す提言がほとんど
聞かれなかったのは残念である。
なお、「ライブドア・ショック」に関してのコメントは当ホームページの「もうそう日記」でしばらく
書くつもりである。是非、ご覧ください。
では今回の本題へ
昨年、日経平均は1年間で約40%、TOPIXは約43%上昇したが、前半と後半では大きな
違いがあった。
1月から7月までの日経平均は約4%、TOPIXは約5%の上昇だったが、8月から12月まで
の日経平均は約35%、TOPIXは約36%の上昇だった。
8月から12月の内訳は次の通り。
8月の日経平均は約4%、TOPIXは約 5%の上昇
9月の日経平均は約9%、TOPIXは約11%の上昇
10月の日経平均は約1%、TOPIXは約 2%の上昇
11月の日経平均は約7%、TOPIXは約 4%の上昇
12月の日経平均は約6%、TOPIXは約 6%の上昇
9月が異常に上昇している。これは小泉自民党の総選挙「圧勝」と重なるのでこれが大きな
原因であることは間違いない。(ただし票の中身は決して圧勝でなかったことは以前のコラム
で検討した。)
では何故、小泉自民党の総選挙「圧勝」で株価が急激に上昇したのだろうか。
東京証券取引所が発表した2005年の投資主体別売買動向(東京、大阪、名古屋の3市場
合計)によると、外国人投資家は約10兆円の買い越しだった。
しかし、国内の機関投資家は約6兆円の売り越し、さらに活況と言われた個人投資家も実は
約4兆円の売り越しだった。
つまり、昨年、日経平均を年間40%上昇させた原因は外国人投資家の買いだった。これに
より筆者が以前から主張している「個人投資家に株式市場を買い上げる力はない」ことが改
めて証明されたと考えている。
もちろんこれは東証1部等の話であり、新興市場(マザーズ、ジャスダック、ヘラクレス)では
個人投資家が主役である。しかしそれらの規模はまだ小さなものである。
では何故、外国人投資家が小泉自民党の総選挙「圧勝」で日本株を急激に買ってきたのだ
ろうか。
だぶついた国際投機資金は原油と為替、さらにはアメリカ債券に向かっていた。しかし原油
高は供給の見通しがついて一服、アメリカ金利も2006年前半には止まりそう、そうなれば
アメリカ株式へ向かってもいいのだが双子の赤字と住宅バブル、それに国際競争力の低下
などでいまいち信頼感に乏しい。
そうなればEUと日本になるが、EUはすでに株価が上昇してしまった。残る日本は長年のデ
フレがそろそろ「終わる頃」であり、将来の円高へのシフトは合理的である。
つまり、株式と為替と二重においしい条件が2006年には整うという予想が出始めた頃に小
泉自民党が圧勝した。これが外国人投資家の背中を早く押したのである。
日本の300兆円もの資金がグローバル市場に放出される、もちろんすぐに始まるわけでは
ないがゲームの開始にはちょうどよい合図だったのである。
ネットを通しての個人投資家の売買高は年々増えているが、それでも個人投資家には株式
市場を大きく買い上げるだけのエネルギーはなかった。
しかし昨年は株価が上昇するにつれ多くの個人投資家が参入して来た。このため株価が下
がる局面でも個人投資家が買い支えたようだ。この結果、株式市場は10月を除き大幅に上
昇を続けた。
当初、株価が上昇した局面では信用売りもかなり積み上がり、「踏み上げ相場」の様相を呈
した。要するに、個人投資家でもベテラン組が信用で売っていたものと推定される。さらに国
内機関投資家も売りが先行したと言われる。
これは無理もない。バブル崩壊以降、日経平均は全体的に下がり続け、売りから入らなけ
れば儲けることができない相場が長く続いたからである。しかもヘッジファンドの投資手法が
一般的になってきてロングとショートを組み合わせる個人投資家も増えたと思われる。
要するに昨年は、外国人投資家の買いがこれだけ長続きするとは思わなかった人はあまり
儲からなかったのではないかと推定される。つまり「ヘッジ」が裏目に出た相場だった。
逆から見れば、素直に買いから入った投資家が一番得をしたとも言える。その意味ではビギ
ナーズラックの当たり年であった。
小泉首相は日経平均が8000円を割った頃に株を買っていれば今頃は大儲けだったという
ような発言をしている。たしかに株は安いときに買い、高いときに売らなければ儲からない。
これはまさにセオリーだがそれが分かる人はごく少数だろう。
要するに結果論や後講釈は誰でもできる。
ITバブルの頂点で買った人は存在するし、小泉首相誕生で買った人もいるだろう。後者の人
は途中で売らなければ4年経ってようやく利益が出始めたのである。
しかし、株式評論家等は「損切り」の重要性を説くので見切り売りをした人も少なくないと思わ
れる。
1980年代後半のバブル期も最初は何を買っても儲かった。しかし夢は数年で破れた。そ
の後の長い右肩下がりの相場ではヘッジファンドくらいしか利益を出せなかっただろう。
株は長期間保有すべきと言う専門家は多い。しかしこれは言い訳にも使われるので注意が
必要である。
1980年代後半のバブルで買った人はそれから15年経っても、またITバブルで買った人は
それから5年経っても元に戻らないからである。
株式は高度成長期のように右肩上がりの経済で無ければ多くの人に利益はでない。まして
右肩下がりの経済なら目減りするしかない。
仮に長期間のボックス相場で、儲かる額と損する額が半々でも、手数料等を考慮すれば損
する人の方が多いと思われる。
いずれにしろ株式投資はマネーゲームであり、負ける人から勝つ人へのカネの移動にすぎ
ない。そしてそれを斡旋するブローカーに手数料が入る仕組みである。
プロ野球でも、プロ相撲でもアマチュアがカネを賭けてプロと対等に同じグランドや土俵で勝
負するバカはいないだろう。
しかし「アマチュア」を呼び込んで手数料や賭け金を巻き上げようとしているのが「国策」にな
っている。
たしかに昨年の株価急上昇では、売りから入らない投資家はほとんど儲かったはずである。
ただし、含みでいくら儲けてもたいした意味はない。問題はどこかのファンドのように売り抜
けて大儲けできるかである。
さらに重要なことは儲けを持続できるかどうかである。競馬で威勢良く勝っても最終レースで
全額すればとぼとぼ帰るしかない。
株式市場はババ抜きゲームである。この意味を本当に理解している個人投資家は少ないと
思う。
株式市場は常に新規の参入者がいないと息切れする市場である。まさにフランチャイズ業
界で言うところの「スクラップアンドビルド」と同じ体質である。
カモがネギ背負って鍋に入るか、それとも食う方に回るかはまさに「自己責任」の世界であ
る。結局、儲かるのはキリギリスさん、損するのはアリさんということになるだろう。
ところで最近6年間の日経平均変化率は次のようなものである。
2000年▲27%
2001年▲24%
2002年▲19%
2003年 24%
2004年 8%
2005年 40%
2006年の変化率予想は楽観論が多いがそううまくいくだろうか。
しかし本当の問題は2010年から2030年の株価の動きである。当然誰にも分からないが、
超少子高齢化社会が到来することだけは確実である。新しい株式市場が必要と考える。
追伸
筆者は昨年の「2005年展望」で株価を1万2500円位と推測した。当然筆者の山勘にすぎ
ないが、結果的に大きな間違いだった。
これは自民党の抵抗勢力と同様に総選挙の票読みを間違えたからである。総選挙で与党
はそれなりに勝つと思ったが、まさか三分の二を超える議席を取るとは予想しなかった。こ
のため参議院で郵政法案が廃案にされると読んでしまった。(衆議院で三分の二の賛成が
あれば参議院が反対しても法案は可決されてしまう)
よって2005年は上昇ながらもボックス相場というのが筆者の読みだった。だから控えめに
見積もって1万2500円と予想した。
小泉首相の「政治的な大局観」は見事と言う他はない。しかし、小泉首相のやり方ではいず
れ迎える超少子高齢化社会は多くの国民にとって暗いものになると筆者は確信している。
だからこそ筆者は、小泉首相が国民に「弱肉強食」と「自己責任」が構造改革の本丸である
ことを正直に説明すべきと主張している。
そうすれば、多くの国民と小泉改革の意識のずれを修正することができる。言い換えれば多
くの国民に自分の将来について責任と覚悟を持たせることができるからである。
しかし日本が迎える超少子高齢化社会は「弱肉強食」と「自己責任」だけでは絶対乗り越え
られない時代だと考える。少なくともこの時期は「共存・共生」、「助け合い」の気持ちがなけ
ればどうにもならないだろう。
戦後60年、日本が世界に平和憲法を示したように「民主主義と資本主義の合理的な折り合
い」を示すことができれば良いのだが現状は難しい。
------------------------------------------------------------------------
2 次号(第132号不定期発行)の予告
「光ファイバーの可能性」を検討したい。
------------------------------------------------------------------------
3 TontonSystemとは
TontonSystemとは民主主義と資本主義の折り合いを目指す理念と
その具体的方策です。TontonSystemを理解するには、現状の民主主
義と資本主義の問題点、そして経済原則とは何か、市場原理とは何
か、を理解する必要があります。TontonSystemは、現状ではハード
ルはかなり高いですが、やるだけの価値はあると思います。
★TontonSystemの全文はホームページに記載してあります。
------------------------------------------------------------------------
4 TontonSystemのホームページ
TontonSystemのホームページも是非ご覧ください。
TontonSystemのホームページはリンク自由です。
■トップページ http://www.tontonsystem.com
ご意見・ご感想・ご質問等は下記アドレスまでお願い致します。
■メールアドレス take3@tontonsystem.com
------------------------------------------------------------------------
5 利用配信システム
このメールマガジンは下記の配信システムを利用しています。
■まぐまぐ http://www.mag2.com(マガジンID:0000098619)
■ melma! http://www.melma.com(マガジンID:m00075850)
------------------------------------------------------------------------
6 登録・解除・アドレス変更
下記のURLで行ってください。いずれもメールでの解除はできません。
■TontonSystem http://www.tontonsystem.com/page068.html
■まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000098619.htm
■ melma! http://www.melma.com(マガジンID:m00075850)
------------------------------------------------------------------------
7 バックナンバー
バックナンバーは下記のURLで読むことができます。
■TontonSystem http://www.tontonsystem.com/page068.html
■まぐまぐ http://backno.mag2.com/reader/Back?ID=0000098619
■ melma! http://www.melma.com(マガジンID:m00075850)
-------------------------------------------------------------------------
8 注意事項
★このメールマガジン記載の情報によって損害が生じたとしても
責任を負えませんので事前にご了承ください。
★このメールマガジンは、自由に配布していただいて結構ですが、
配布される場合は、メールマガジンの全文をそのまま配布して
ください。事前の許可なしに改変および他のメディアへの転載
などはご遠慮ください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★発行者 孟 宗竹 ■メールアドレス take3@tontonsystem.com
Copyright(C)2002 孟 宗竹
|
|
|