TontonSystem

孟 宗竹メッセージ集

コード20041001 M100 小泉首相、あと2年ですか

自民党人事や内閣改造人事が終了した。小泉首相お得意のサプライズはあまり なかったがそれでも三つあった。

ひとつは自民党もマスコミもびっくりした武部勤自民党幹事長、もうひとつは辞意 が固かったはずの安倍晋三氏の幹事長代理就任、最後は去年の衆議院選挙で 落選した山崎拓氏の首相補佐官起用である。

この人事から次のような光景が目に浮かぶ。

武部勤幹事長が首相に呼ばれて官邸に行くと、首相の横には自分の派閥のボス である山崎拓補佐官が座っている。これでは誰が実質幹事長か明白だろう。

しかし武部勤幹事長は2人から言われた案件を持って各派を奔走することにな る。石原前国土交通相より馬力はあるかもしれないが中身は同じである。

山崎拓氏は有能かもしれないが、自民党副総裁という要職のとき選挙で落選した 人である。つまり普通の学識経験のある公務員や民間人とは明らかに違う人であ る。

山崎拓氏は来年の衆議院補選には立候補すると言われる。小泉首相が山崎拓 氏を公的なポストにつけたいなら選挙で返り咲くまで待つのが民主主義のルール ではないだろうか。

あまりにも小泉首相は選挙結果というものを軽視している。

仮に補選でも落選したとき、山崎拓氏の首相補佐官はおかしいという声が多く出 るだろう。このとき首相はそれを突っぱねるのだろうか。絶対落選させないために 起用したとも言えるが選挙はやってみないとわからない。

いずれにしろ今回の人事で小泉首相の周りには人材がいないことが判明した。

なお、川口順子外相を首相補佐官に横滑りしたのは山崎拓氏だけではまずいか らだろう。旧通産省出身の元官僚で議員でない川口順子氏を環境大臣から外務 大臣に横滑りさせたのは、「政治家」田中真紀子氏に懲りたからである。つまり川 口順子氏なら外務省も官邸も都合がよいからである。

小泉首相を独裁者と呼んだ元幹事長もいたが、たしかにやり方が独善的でかつ 驕りも感じられる。口を開けば民営化、地方分権と言い、批判する者、反対する者 はすべて「抵抗勢力」とレッテルを貼って攻撃する。しかし民営化、地方分権とも中 身はなく言葉だけが踊っている。

日本は大統領制を採用したわけではない。あくまで憲法改正するまでは政府は憲 法に忠実でなければいけない。しかし小泉首相は現行憲法を自分に都合よく解釈 している。

いわゆる有力者を党の要職につけなかったのは発言力を封じる意味では大きい が自分の力を過信している恐れもある。小泉首相に残されたカードは解散だけで ある。しかしこのカードが本当に使えるのか、疑問である。有効期間は2年であ る。

小泉首相はだんだん裸の王様に近づいてきたようだ。すなわち、多くの人が遠巻 きで見ているだけの小泉体制になった。それもあと2年である。特に参議院では選 挙が終わったため小泉首相はもはや脅威ではない。参議院を通らないと普通の 法案は成立しないのだが、参議院を解散させる権限は首相にはない。

小泉首相と「抵抗勢力」の腹の探り合いは続くがそのうち時間切れとなる。郵政民 営化の中身はあいまいで店舗の概観は変っても「日本の構造」は何も変わらない だろう。

内閣改造後の朝日新聞世論調査では小泉内閣に一番力を入れて欲しいのは「年 金・福祉」が52%、「景気・雇用」が28%で、「郵政改革」は2%しかない。

郵政改革の必要性が多くの国民に伝わっていないのだが、その大きな理由は具 体策が看板(理念)と合っていないからである。これでは多くの国民が混乱するの は当たり前である。

郵政民営化とは規模をしだいに縮小し、その分民間に移管していくことを指すの だが、現状は官僚主導で肥大化させようとしている。これを民営化と勘違いすると ころに小泉首相の限界を感じる。所詮、やっていることは官僚政治の代理でしか ない。

先週も書いたように、郵政民営化を肥大化させないと不良債権が表面化してしま う。だから小泉構造改革は道路公団改革も含めみんな中身があいまいになるの である。

しかし小泉首相は郵政民営化の看板しか書けないから、現場が混乱するのであ る。肥大化に反対する者まで抵抗勢力に入れられてはかなわないが、いわゆる抵 抗派や野党、そしてマスコミ知識人までが混乱しているのは郵貯のうまい民営化 案がないからである。

国債発行を今後どうするのか、国を予算をどう賄うのか、そのビジョンがないの に、郵政民営化という看板を掲げ、やっている振りをしても中身は何にも変らない のが小泉構造改革である。

解散カードが切れるかどうかで、小泉首相の存在価値が後世に残るだろう。しか しそのときは民主党が第1党になる可能性が高い。政党再編も起こるかもしれな いが、いずれにしろ「政権交代」しないと改革はできないだろう。小泉首相はゴル バチョフ大統領になるのである。

小泉構造改革は2年後、看板は立派だったが中身はなかったといわれるだろう。 失われた10年のあとは「改革ごっこ」の5年と呼ばれるかもしれない。

追伸

多くの意見を聞いていたら改革などできないが、それだけでは法案は通らない。こ れが民主主義の難しいところである。民主主義のレベルを上げるしか方法はない が、そのためには経済的な土台が必要である。
トントンシステムは経済を土台に民主主義のレベルを上げることを目指すもので ある。



トップへ
戻る
前へ
次へ


Copyright(C) 2002孟 宗竹 All rights reserved.